センサデバイスの耐久性を上げたいが、解決策が見つからない...
厳しい基準を短期間でクリアしたのは微粒子の力だった!
センサデバイスの中でも自動車用センサは、エンジン制御システム・シャシー制御システムなどさまざまな用途で使用され、車1台あたりに採用される数は今後ますます増加すると予測されている。
課題
センサデバイスの脆弱性を改善し、耐久性を上げたい
Z社は、顧客から「次期モデルに使われる車載センサデバイスの耐久性を上げてほしい」との要望を受けました。
次期モデルでは、センサデバイスに求められる許容温度領域が格段に広くなっていました。そこで研究開発センターが、熱衝撃試験を実施したところ、現行品では温度環境変化に対して接着部分が脆弱であることがわかりました。
早速、接着部分の構造、接着方法の見直しに着手しました。
過酷な温度変化に耐えられる接着剤の改良方法が見つからない
顧客はこの話を複数の取引先に同時に声がけしていました。Z社が採用されるためには、できるだけ短期間でセンサ接着部分の脆弱性を改善する必要がありました。検討した結果、この問題を他社に先駆けて解決するには接着剤の改良が最も有効な手段である、という結論に至りました。しかし、実際に調査を進めてみると、なかなか最適な改良方法が見つかりませんでした。
「接着部分の耐久性を上げられる接着剤の改良を検討しましたが、今回の厳しい基準をクリアできる方法がなく...」(研究開発センター・P氏)
課題のポイント
- 車載センサデバイス接着部分の耐久性を向上したい
- 要求される許容温度領域に対応できる接着剤に短期間で改良したい
解決
解決のポイント
- 線膨張係数を調整したテクポリマー®により耐久性が向上
- 微粒子の知見に基づくソリューション提案により短期間で解決できた
「テクポリマー」を添加することで耐久性が向上。センサ接着に適合
P氏は社内の評価研究部門に所属するQ氏に接着剤の改良について相談してみました。すると、既に塗料用添加剤で取引のある積水化成品を紹介されたのです。
「同社の微粒子「テクポリマー」は、構造や物性のほか、線膨張係数も調整できると聞いたことがあるので、改良方法が見つかるかもしれない」(評価研究部門・Q氏)
早々に積水化成品へ問い合わせると線膨張係数をコントロールした「テクポリマー」を接着剤に添加すれば、接着部分の耐久性を改善できる可能性があるとのことでした。添加処方を相談しながら改良を加えた結果、ようやく次期モデルの厳しい許容温度領域の要求にも応えられることがわかりました。
的確なソリューション提案により厳しい基準を短期間でクリア
この結果を受け「これだ!」と確信したP氏は、「テクポリマー」を添加した接着剤の採用について正式に上長の承認をとりました。
「他社に先駆けて顧客の要求に応えるにはスピーディな対応が不可欠でした。積水化成品には幅広い分野に適応した微粒子開発の実績があり、経験に基づいた微粒子のカスタマイズと提案が今回の重要なポイントでした」(P氏)
顧客からも「期待以上の耐久性」との評価を受け、無事に次期モデルへの採用・量産が決定したということです。
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