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きしみ感と白浮きを解消する近赤外線カット微粒子の実力とは?


新商品開発の壁となる紫外線散乱剤を何とかしたい...


きしみ感と白浮きを解消する近赤外線カット微粒子の実力とは?


紫外線と同様に、近赤外線やブルーライトも肌の光老化を引き起こすと考えられている。Z社をはじめ化粧品各社は、日焼け止め・下地・ファンデーション製品に近赤外線カット効果を付与するため、紫外線散乱剤である酸化チタンや酸化亜鉛の配合量を増やすことを検討していた。


課題


きしみ感と白浮き、これらを同時に解決したい!


近赤外線カットを謳える新商品の開発に向けて、Z社も試行錯誤を繰り返していました。しかし、いくら試作を重ねても評価の段階でNGとなってしまいます。

当時の様子を商品開発部のT氏は次のように振り返ります。
「とにかく酸化チタンや酸化亜鉛の扱いが難しくて困っていました。紫外線散乱剤は基本的にナノサイズで、凝集しやすいのが特徴です。そのため、配合量を増やすときしむような感触となり、触り心地や塗り心地が悪くなってしまいます」

悩みの種はそれだけではありません。紫外線散乱剤は屈折率が非常に高く、添加量を増やすとベース処方の色味にも影響を与えます。ファンデーションに添加すれば元の色が変わってしまうほか、日焼け止めでは白浮きが発生してしまいました。

T氏たちはこれらの課題を解決するため、素材メーカーにも問い合わせてみましたが、大幅な改善につながる情報は得られませんでした。


課題のポイント

  1. 肌の光老化を防ぐため、化粧品に近赤外線カット効果を付与したい
  2. 紫外線散乱材ではきしみ感が生じるほか、色味への影響や白浮きも懸念

解決


解決のポイント

  1. 近赤外線カット微粒子なら光反射性に優れるほか、感触改良効果もあり
  2. 紫外線散乱剤に比べて屈折率が低く、色味への影響や白浮きの発生も低減

近赤外線の光反射性を示すポリマー微粒子の発見で、光老化を防ぐ新製品開発に兆しが

T氏は昨年開催された展示会で、積水化成品のブースを訪れました。
そこで、「テクポリマー」の説明を受けたT氏は、近赤外線の光反射性を示す微粒子が「今回の課題解決に使えるのでは」と直感しました。

担当者によると、「テクポリマー近赤外線カット微粒子」は、紫外線から近赤外線領域の光反射性を持つほか、真球状のポリマー微粒子のため伸びが良く、感触改良の効果もあります。また、アクリル系の組成で、紫外線散乱剤に比べて屈折率が低いため、散乱剤の配合量を増やす代わりにこの微粒子を添加することで、屈折率差による色味への影響についても低減が期待できます。

早速、T氏は「テクポリマー近赤外線カット微粒子」のサンプルを提供してもらい、試作と評価を行います。すると、今まであったきしみ感や白浮きといった現象が解消されました。

「テクポリマー近赤外線カット微粒子」の使用によって、商品化の目途が立ったT氏たち。現在は、積水化成品からアドバイスを受けながら、商品化に向けてさらに仕様を詰めています。

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