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テクポリマー®の粒子径・粒度分布について(マイクロサイズ編)

積水化成品のポリマー微粒子「テクポリマー」は、粒子の大きさによって使用される分野・用途が異なり、最終製品の物性にも大きな影響を与えます。そのため、粒子径や粒度分布は、品質面において非常に重要な項目となります。

ポリマー微粒子のような粉体の粒子径を測定する方法としては、ふるい分け法、顕微鏡による画像解析法、レーザー回折散乱法、電気的検知帯法など、粒子の大きさに応じて数多くの測定方法が用いられています。
当社では、マイクロサイズの製品群の粒子径測定において、精度や再現性の高さから、電気的検知帯法(コ-ルタ-原理)による粒度分布測定法を採用しています。この電気的検知帯法について、もう少し詳しく見ていきましょう。

電気的検知帯法(コールター原理)

粒子が分散されている電解液中に、一つの貫通した細孔を持つ壁を設け、両側に電極を置き、細孔を通して定電流を流します。細孔の内側からある一定の吸引力で電解液を吸引することにより、粒子が電解液と共に細孔を通過します。

この時、細孔中の電解液は粒子の体積に相当する量だけ減少し、細孔の電気抵抗はこの排除された電解液量に比例して、より大きくなります。細孔に流れている電流は粒子の存在に関わらず一定であるため、電圧変化量は細孔(アパチャー)の電気抵抗の変化量に比例するのです。

電圧変化量から粒子の体積を計測し、この体積から粒子の球相当径を求め、粒子径分布を表示するのが電気的検知帯法です。(図1)

1:電気的検知帯法

それでは、電気的検知帯法で測定した粒子径・粒度分布の一例として、「テクポリマー」より2製品をご紹介します。

【MBXシリーズ】

架橋ポリメタクリル酸メチルで構成されたポリマー微粒子です。
図2はMBXシリーズのMBX-8(平均粒子径8μm程度)の粒度分布を表します。

2MBX-8の粒度分布

ある程度の粒子径の分布幅を持たせることで、ディスプレイ分野で需要のある必要な均一な光拡散効果や、塗料分野での艶消し性を付与することが可能となります。

【SSXシリーズ】

架橋ポリメタクリル酸メチルで構成されたポリマー微粒子です。
図3はSSXシリーズのSSX-115HXE(平均粒子径15μm程度)の粒度分布を表します。

3SSX-115HXEの粒度分布

MBXシリーズと同等の微粒子で構成されますが、こちらは粒度分布のシャープさが特長です。
粗大粒子の混入を嫌う電子材料分野や、ディスプレイ分野で求められるアンチグレアのように特徴的な光学特性を付与する際に検討されるシリーズです。

いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した製品以外にも、粒子径を調整したグレードや、屈折率・軟質性などを付与したカスタマイズ品もあり、お客様のニーズに合わせたご提案が可能です。ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。

参考文献「測定原理 - トナー粒子径分布の測定方法 - Beckman Coulter」

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