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生分解性のアンチブロッキング剤を求めてたどり着いた材料とは

環境へ配慮した産業用フィルムの製造を推進

生分解性のアンチブロッキング剤を求めてたどり着いた材料とは

近年、国連において持続可能な開発目標(SDGs)が採択され、地球規模でのプラスチック資源循環体制を早期に構築するため、各企業でも環境対応への取り組みが求められている。

課題

会社方針は環境対応への取り組み強化!しかし、生分解性の添加剤がなかなか見つからず...

L社研究開発のB氏は納入先のデザイナーから、次期モデルの内装コンペについて相談を受けていました。デザイナーの話では、人肌のような柔らかい触り心地と梨地状の風合いで高級感のあるコンセプトが大前提で、かつ耐久性の高い自動車内装を実現したいとのことでした。

提案活動の開発工数や費用がかかる

農業などに使用する産業用フィルム材の製造を手掛けるK社。海洋汚染や脱プラスチックといった環境への配慮を求める声が高まってきたことを受け、環境配慮製品のラインナップを拡充することにしました。

担当することになった、開発部のS氏はさっそく検討に入りました。

「ひとまず主原料となるフィルム材については、生分解性の材料を調達する手はずが付きました。しかし、フィルム材に配合するアンチブロッキング剤は、透明性や脱落低減の観点から有機微粒子を処方していて、代替品がなかなか見つかりませんでした」(S氏)

S氏は、添加剤を加えないことも考えましたが、生産性や使い勝手に悪影響が出てしまうため、外すことはできないという結論に至りました。そこで、環境負荷の少ない無機物を検討しましたが、透明性の維持や脱落性の改善は見込めませんでした。開発部のメンバーはさらに情報収集を進めましたが、解決策はなかなか得られません。

課題のポイント

  1. 生分解性のアンチブロッキング剤が欲しい
  2. 透明性や脱落性は現行品と同等にしたい

この課題を解決した方法とは?

解決

解決のポイント

  1. 土壌分解性グレードのテクポリマー®をアンチブロック剤に使用できた

  2. 透明性や脱落性も現行品と同レベルを保持できた

土壌分解性テクポリマーにより、環境に配慮したフィルム材が実現!

情報収集を進める中で、積水化成品からリリースされたばかりの生分解性「テクポリマー」に目が留まりました。問い合わせをしたところ、その「テクポリマー」は土壌分解性に加え、粒子が軟らかいため、添加すると滑らかな触感に仕上がるということでした。

そこでS氏はサンプルを取り寄せ、開発部内で使用できるかどうか検討してみることにしました。

「アンチブロッキング剤として使用するには、粒子径が大きく、小粒子化への対応が課題でした。しかし、積水化成品は希望の粒子径への対応をしてくれて本当に助かりました」(S氏)

検討を重ねた結果、土壌分解性グレードの「テクポリマー」を使用した環境配慮型フィルム材の開発を進めることになりました。積水化成品から微粒子の性質や特長についてレクチャーを受けながら、生分解性フィルム材のさらなる薄型化も視野に、環境に配慮した製品作りに注力しています。

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