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機能性を兼ね備えた塗装を実現した微粒子の添加剤とは?

意匠性や手ざわりに徹底的にこだわった、ノートPCの外装コンセプトに黄色信号...

機能性を兼ね備えた塗装を実現した微粒子の添加剤とは?

ビジネス向けノートPCを製造しているK社では、次期モデルとして意匠性の高い製品の販売に向けて、開発プロジェクトを進めていた。

課題

意匠性、耐擦傷性に加えて質感も付与できる塗装を求めて

プロジェクトでは、競合との差別化を図るため、次期モデルの意匠性にこだわり『マット調で高級感のある外装』というコンセプトで開発を進めていました。

設計開発部の責任者であるA氏は、早速、試作品の製作に着手しました。

「最初に検討したのは、シボ加工を施した外装です。しかしできあがった試作品は質感が単調で、つや消し具合もいまひとつの評価でした。微細加工を施す案も検討しましたが、コスト的に厳しくNGとなりました」(A氏)

そこでA氏らは、シボ加工した表面の上からさらに塗装を施すという改善策を講じて、塗料メーカーにいくつかのサンプルを依頼しました。期待通り、底つやのないマット調の質感を実現できましたが、塗料の添加剤にシリカを使用していたため、外装にキズがつきやすくなるという新たな課題が発生しました。

また定期ミーティングの中で、質感に加えて触り心地についても改良を加える方向性となり、新たにソフトフィール性を付加する必要が出てきたのです。

A氏は社内のメンバーと相談し、アクリル、ウレタン、シリコン系粒子配合の塗料を試してみましたが、つや消し、キズ付き防止、ソフトフィール性を両立できる最適な塗料が見つからず、プロジェクトは頓挫してしまいました。

課題のポイント

  1. 高級感のある底つやのないマット調の質感を実現したい
  2. 塗装にはキズ付き防止、ソフトフィール感を付与したい

この課題を解決した方法とは?

解決

解決のポイント

  1. 多孔質微粒子と軟質微粒子2種類のテクポリマー®により、つや消し、キズ付き防止、ソフトフィール性を実現

  2. テクポリマー®は硬度や粒子径が調整できるため、意匠性を細かく調整できた

2種類の微粒子を混ぜた塗料で、高級感のある質感を実現

困り果てたA氏は、以前展示会で名刺を交換した、有機系微粒子に定評のある積水化成品の担当者に相談してみました。そこで開発中のノートPCの外装について要望を伝えたところ、「テクポリマー」のラインナップの中から、いくつかの微粒子について詳しい提案を受けました。真球状と多孔質、軟質微粒子を添加剤に使った塗装のサンプルをもらい、評価を行ったところ、つや消しとキズつき防止には多孔質微粒子、ソフトフィール性には軟質微粒子が適していることが判明しました。

「これらの評価から、外装には多孔質微粒子と軟質微粒子の2種類を配合した塗料を使うことにしました。「テクポリマー」は、硬度や粒子径が調整できるため、触り心地やつや消しの風合いなど、意匠性を細かく調整できた点も大きかったですね。担当者からも適切な添加量のアドバイスをもらえて、スピーディに開発を進めることができました」(A氏)

「テクポリマー」を配合した塗装の仕上りは、マット調で触り心地の良さが社内でも上々の評価を得ることができました。この結果を受けて、K社では次期モデルのノートPCの塗装に「テクポリマー」の採用を決めました。

現在は、オプションの周辺機器などにも同じ塗装ができないか、積水化成品の協力のもと、商品化の検討を進めています。

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