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フィルムの透明性を維持しつつ、アンチブロッキング効果を可能にした方法とは?

プロテクトフィルムレスの製品開発により、光学用フィルムのコストダウンを実現!

フィルムの透明性を維持しつつ、アンチブロッキング効果を可能にした方法とは?

液晶や有機ELディスプレイに使用される光学フィルムは、巨額投資を進める企業がシェアを拡大しており、常に価格競争に晒されています。これまでの品質による差別化に加え、生産プロセスにまで踏み込んだコスト競争力強化の製品開発が求められており、業界各社では従来と異なる新たな形態の製品設計を模索しています。

課題

新しい形態の光学フィルムの開発!製品設計での差別化を模索するも...

ディスプレイ用フィルムを供給しているB社。研究開発部のエンジニアO氏は、競合との差別化を図るため、高品質でコスト競争力のある光学フィルム開発を検討していました。
今回の開発は従来設計から大きく変更し、プロテクトフィルムレスの製品化を目指していました。この設計が実現できれば製品の大幅なコストダウンが可能になり、更に供給先の製造工程の削減にもつながることから、他社品と大きく差別化できると社内で期待されていました。

プロテクトフィルムレスの製品化実現には、フィルム同士の密着・貼りつきを防止する必要がありました。ブロッキング防止として一般的な無機粒子を添加し、フィルム表面への凹凸付与を試みましたが、アンチブロッキング効果は発現したものの、フィルムのヘイズが上がり、透明性が低下してしまいました。その上、フィルム同士の擦れによる傷つきが目立ち、満足のいく出来ではありませんでした。

当時の様子を、O氏は次のように語ります。
「弊社の光学フィルムは、高い透明性が強みの1つでしたので、光学特性の維持は最優先でした。その上でアンチブロッキング効果と耐擦傷性を付与したかったのですが、両立する良い材料が中々見つかりませんでした。また、無機粒子はハンドリング面からもバインダーからの脱落が多く、扱いが難しかったのです」(O氏)

課題のポイント

  1. プロテクトフィルムレスの実現に、アンチブロッキング効果を付与したい

  2. フィルムの透明性を維持しつつ、フィルム同士の傷つきも防止したい

この課題を解決した方法とは?

解決

解決のポイント

  1.  テクポリマー®をフィルムに添加することで、アンチブロッキング効果を付与できる

  2. 要望に応じて屈折率や粒子径をカスタマイズできるので、任意にヘイズ調整が可能

  3. 軟質グレードの品揃えも豊富なので、フィルムの耐擦傷性アップが期待できる

フィルムの透明性を維持しつつ、耐擦傷性に優れたアンチブロッキング効果を付与

情報収集を進めていたO氏は、高機能材料の展示会場で積水化成品のポリマー微粒子に目を止めました。展示されていた「テクポリマー」のアンチブロッキング剤用途に興味を持ち、さっそく担当者から詳しい説明を聞きました。
「ミクロンからサブミクロンサイズまで幅広い真球状の粒子径グレードを展開しており、屈折率コントロールも可能でした。また軟質タイプのグレードもあり、要望に応じたカスタマイズ対応に強い魅力を感じました」(O氏)
既に液晶分野で20年以上の採用実績があるということで、O氏はサンプルを取り寄せ、評価を行うことにしました。

評価のなかで、「テクポリマー」はバインダーとの馴染みが良く、無機粒子で頻繁に起きていたベース樹脂からの脱落も少ないことがわかりました。数度にわたる屈折率や粒子径の調整、硬度の変更や配合処方の見直しにより、フィルムのヘイズが限りなく"0"に近い高い光透過性と傷つき防止を実現した、プロテクトフィルムを使用しない新たな光学フィルムが完成したのです。

「「テクポリマー」を使用した光学フィルムは、従来品と比べても光学特性に遜色なく、ブロッキングも発生しません。また、従来より大幅なコストダウンが実現できた上に、供給先でもプロテクトフィルムを剥離する工程を削減できたことで高い顧客満足度に繋がりました」(O氏)

同社ではこの成功例を皮切りに、光学用途以外のフィルムでも、「テクポリマー」をアンチブロッキング剤に使用する検討が進められています。

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